コメッセージ261号 2018年2月号
えーと....んーと....うーむ....マナーモードの設定はどうやるんだ?と娘に聞くと、あのね、父さんこれはねと言いつつ私のスマホを手に取りささっと操作してハイできました。で、電話帳は?....メールは?.....電話をかけるのはどうやるんだ?......呆れられつつもほんとの基本中の基本の操作を教えてもらいました。
今年に入ってとうとう私もスマホデビューしたというわけで、これまでガラケイで通してきたのですが少しずつでも覚えながらいくらかでも高度化したIT技術の恩恵にあずかることができればと思うところです。
以前から東京に嫁いだ娘からは孫達の成長した姿を月に数回はメールで送ってきておりましたが、それが動画になり、さらに双方向の動画通信となって、今は映っている顔がクレヨンしんちゃんよろしく面白くデフォルメされたり鼻がブタ鼻に変わったりウサギの長~い耳が付いたりといったこともお互いに楽しめるようになっています。
孫達のキャッキャッっという笑い声と動画が、今まさに東京と北広島という遠隔の地で同時に手のひらの中の薄っぺらで小さな”器械”で楽しめるのですから....しかも料金はタダに近いらしく、電話ボックスで長距離電話をかけるとき100円玉やら10円玉をいっぱい用意していた世代には何とも理解の限度を完全に超しています。
近年これほど世の暮らしぶりを劇的に変えつつあるツールもないのかもしれません。
過去には3種の神器なる家電や車による日常生活、ライフスタイルの大きな変化は確かにありましたが、それらはあくまで体が楽になったり移動が早くなったりという単独の機能によるものでした。
しかしAI(人工知能)の止まるところを知らない発達ぶりで上記の”物品”がそれぞれ”知能”を持った強力な助っ人、なくてはならない家政婦的な存在になってきました。
そしてこれからはさらにそれらが有機的に結びつくことで機能の高度化が図られ、人は生活労働全般かなりの部分を任せられる?........ようになるようです。朝起きるのに寝室には森林浴然とした空気が漂い、定刻に小鳥のさえずりが聞こえます。キッチンでは自動でごはんが炊けたり、パンが焼かれ、スープが作られます。会社には自動運転の車で渋滞に関係なく出勤、いや出勤自体なくなっているかもしれません。余暇には犬型、猫型アイボのようなペットとのふれあいで癒しのときが持てます。
介護職員の確保問題は過去の言葉になって、個人向け完全自動介護ハウスやグループホームが整備されるでしょう。
私が中学生頃だったか手塚治虫の漫画で「三つ目がとおる」というのがありました。その漫画は額に三つ目の目がある少年(三つ目族の子孫)が様々の超能力?を使って活躍する話だったと思いますが、たしかその三つ目族はすでに滅んでしまっていたのです。
記憶が定かでない中で妙にハッキリと覚えているストーリーの部分があって、それは多くの三つ目族の民が遊び惚けるようになり働かず怠惰を重ねる様子が描かれており、その結果滅亡したということで、その理由が獲得した超能力で天候や病害虫、作物の生長を自由に操ることができるようになり、食べ物を手に入れるという生存の苦役から解放されたからというものでした。
「鉄腕アトム」を生んだ手塚治虫の洞察力....私達人類の未来なのでしょうか。
投稿者:taka-farm