コメッセージ286号 2020年3月号
ジリリリリーン、ジリリリリーン......はい、高嶋ですが.......えっ、やはり中止ですか....
先月末、市の担当者からの電話でうちの農場のお米がからむイベントの中止の案内が来ました。
そうです、世界中を巻き込んで未だ収束の気配が見えない新型コロナウイルスによる肺炎の大流行がとうとう身近なこととしてうちにまでその影響が及んで来てしまったのです。
このところ市の主催するまちづくりに関わるフォーラムや祭りなどの催しにうちのお米が使われることが多くなり、今回も参加者を募る手段に使われるはずだったのです。
先月の中頃まではそう遠くないうちに収束するだろうなんて割とのんきに考えていたのが、ここへきて国を挙げての予断を許さないような極めて厳しい局面になって来ました(3月1日現在)。
ここ数年、グローバル化の波に乗り年を追って外国からの旅行客(インバウンド)が激増し観光産業が活況を呈してきたことは皆さんもご承知のことと思いますが、東京、大阪、京都、奈良、鎌倉などの大都市圏や歴史的、文化的に有名なところのほかに今では地方の隅々にまで足を伸ばす方々が多くなっています。
これはインターネットの普及により外国人により簡単に地方の情報が伝わるようになったからでもありますが、地方の情報発信力レベルの向上と魅力的な観光メニューの設定も大きく作用しているからにほかありません。
かく言う当ファームでも有志農家や商業者らと組んで市のバックアップを得ながら農泊事業(田舎の衣食住や農業収穫体験)に昨年より取り組み始めております。
まだまだ途上の段階ではありますが昨年1月には欧米系外人4人で餅つきとできた餅で汁粉やあんこ餅、きな粉餅での食事、6月は同じく4人で田植えとおにぎりつくり、さらに9月は2人で稲刈り、コンバイン試乗と体験メニューを用意しながら受け入れました。
田舎の米作り農家の日常の仕事と生活のごく一部を提供したにすぎませんが、それが返って訪れた彼らにとってはより新鮮な体験型の観光として映るようです。
昨年12月ごろから中国、武漢市で発生したこのウイルス渦、みるみるうちにほぼ全世界へと拡散してしまいました。
これも普通に大勢の人の移動が国境を越えてできるようになったグローバル化の結果ということであれば、人類の生存にとっての新たな大きな脅威ができたことになります。
地球温暖化という脅威に調整つかずバラバラの中、ここに来て新たな脅威に立ち向かわなくてはならなくなってきたことになりますが、こうした危機を乗り越えるために世界をまとめていくことのできる強力なリーダーシップある人物が現れることを期待したいところでもあります......が、○○ファーストどころか○○オンリイ(ONLY)の偽リーダーばかりで本当に心もとない。
3.11の原発事故からの放射能拡散のときと同じように、今回のウイルスも人の目には見えないし、臭いもなくどこでどのように罹患するか全く見当もつきません。
人は得体の知れない脅威には恐れおののき、あげくにひどいデマや差別を引き起こします。
少なくとも日本国内にあってはそんなことのないようにと願ってやみません。
投稿者:taka-farm