コメッセージ 170号 2010年 07月号
詳しくは以下に書きますのでどうぞお読みください。
お~い、かあちゃん、こりゃダメだ救急車呼んでくれ!
去る6月17日朝のことで、目を覚ましてトイレに行こうと布団を出ようとしましたが天井がぐるぐるまわっていて、立つどころか這ってさえも歩くことすらままなりません。
単なるめまいというにはひどすぎますし、そのうち右の腕や足にシビれが感じられてきました(原因は小脳に血栓ができて血管が詰まったことらしいです)。
どうにかトイレまではたどり着いたものの、肝心の用足しもままならず冷や汗でぐっしょりで、仰向けになったまま冒頭の妻への呼びかけになってしまったという次第です。
ほどなく救急車がやってきて札幌市内の脳外科に直行となりました。
脳外科ではICU(集中治療室)に入って点滴やらなにやら管をいっぱい付けられて、どうもテレビなんかで見られるのと同じような医療ドラマのシーンと変わらないあんばいで、まさか自分がこんな立場に置かれようとは思ってもみませんでした。
少し顔を横にするだけでひどい吐き気がするし、右半身の麻痺はよりひどくなってくるし、辛く長~い一日の始まりです。
ほどなく家内や息子や娘がICUに来て心配そうに声をかけてくれましたが「あぁダメだ、吐き気とシビれで具合悪いぃ~」と返すのがやっとという状態でした。
あぁ俺はこのまま障害をもって治らない体になってしまうんだろうか……….そんな心配をもって入院一日目が始まってしまいました。
コメッセージの先月号で今年は息子が田植機に乗ってくれてたいへん楽な思いをさせてもらった…….なんて書いたことがぶっ飛んでしまうような事態になったのですが、とりあえず田植えも終わり、除草剤の撒布、野菜類の畑の段取り、無農薬田の一回目の除草機かけ、育苗ビニールハウスのかたずけなども終わったあとだっただけに幾分気も楽だったように思います。
数日後、体調もかなり復調し吐き気もなく麻痺感覚も和らいで、見舞いにやって来た息子にあれこれやり残したこと、これからやらなければならないことを指図するのですがこれまでなんぼか見てはいたものの実際にやったことのないことをやれというのは確かに酷なことで「俺に全部やれったってそんなの無理だべや」の返事で……….確かに………..だよな、親のエゴでなんでもかんでもぶっかけたって息子にだって「冗談でないや」と言いたくもなろうというものでしょう。
そうだな、確かに自分の学生の時は遠く離れた地で親がどうあろうが、自分だけの時間を謳歌していたんだから、息子の立場に立ってみたらなんて勝手な父親なんだろうとつくづく思うよね……….。
今、お米のこだわり栽培、"ひろっこ大志" "田園交響楽"で直売を始めて22年目にして最大のピンチを迎えているといってもいいと思っていますが、逆にものは考えようで、よくこの長い期間に私の健康上のトラブルもなく農作業と直売の両立を図ってこれたものとも思います。
やればやるほど販売に要する負担は増え健康ともう一つの大事な要素、すなわち家族の理解、協力がなければ何ひとつ成し得てこられなかったでしょう………………………。
息子はいっぺんに降りかかるオヤジが22年かかって作り上げてきた仕事の"流儀"とかノウハウ"のなかで困惑し大変な思いをしているのでしょう。
「父さんのやり方は変だ!」と病院のベッドの私に言います。
おう……….おう……….そう思うならやってみるといいさ……………タカシマファームの115年目に向けて6代目米づくりの誕生の大きなきっかけとなるなら今回の大事も◎のOKです。
病院の窓から一段と緑色濃くなった"田"の様子に思いを馳せるのも、まっ、いいか。で、7月3日無事に退院しました。
ご心配をおかけしましたことお詫び申し上げます。
投稿者:taka-farm