コメッセージ295号 2020年12月号
「えーっ、ありゃりゃ.....とうとうここ北広島でもコロナのクラスターが発生したってか」....
これまで単発で何件か感染者が出たものの一気に100人規模の発生になったのには正直驚き、いよいよ身近な脅威としてこのコロナ禍を捉えなければならないかなと思いつつ、師走の入りを目前にしてこのコメッセージをしたためています。
こういう話で令和2年という年を締めくくらなければならないというのは本当に残念なことですが、今のところ家族、親類縁者等で感染者が出ていないことが救いといえば救いです。
日本ではPCR検査陽性者を入院治療、あるいは隔離などの方法でなんとか拡大を抑えてワクチンの開発、接種の時を待つつもりのようですが感染者の増加に病院の看護体制が間に合わず、早晩医療崩壊が起きるのではという不安が喧伝されるようになってきました。
イタリアなど海外ではすでにそうした事例も報告されるようになってきていますし、死者、新規感染者数など数字的には一桁、二桁違うからと漫然と構えていたら後でたいへんなことになってしまうかもしれません。
こうしたニュースの陰の目立たない中で家畜の世界では近年再び異常事態が起きています。
数年前より国内至る所で豚コレラ(熱)が発生して数千、数万頭単位で殺処分されましたし最近では再び鳥インフルエンザが流行し自衛隊まで動員して数十万羽単位で処分が行われています。
人間であれば手厚い治療も受けられるのですが、家畜となると発生した農場丸ごと全頭処分(土中に埋めるか焼却)され、そして殺菌消毒です。
その被害は、その農場だけにとどまらずに物理的に半径○km以内の全ての家畜出荷停止や飼養施設の徹底消毒など、負担を強いられてしまうことにもなります。
豚同士、鶏同士農場をまたいでの交流があるわけでなし、厳しく外部との出入りを規制管理しているにもかかわらず流行の波はいつの間にかやってくるのです。
保菌した渡り鳥や野生のイノシシが菌を運び、さらにその糞などをネズミなどの小動物が施設に持ち込んでいるのが原因と言われますが、昔はこんな病気があっただろうか?
数十年前?(私の小さかった頃)にはこれほど頻繁にあったのかなぁ.....あったにしても昔は各農場の飼養数が少なくこれほどの規模で被害はなかったとも思われるのですが、家畜界の様相を見るにつけ人間界の行き着く先が心配にもなります。
人間はただ食べ生殖行為をして排泄するだけの動物ではなく経済行為を行いなにがしかの金を稼いで生きています。
現代は経済が回らなければ人も暮らしては行けない時代ですが、密な空間に完全移動制限飼養された家畜ですら罹患し処分されているとき、やむを得ない苦渋の策とはいえ”Go to トラベル” “Go toイート”で作為的に人の動き、交流を活発にし沈む経済の底上げを図ろうということが正しい選択だったか....おそらくこの数週間、新年を迎えるころには答えが出ているでしょう。
来る令和3年 はコロナ禍が終息し皆様のご多幸と併せ、形はどうあれ東京オリンピック、パラリンピックが無事開催されんことを願いつつ今年度の最終筆といたします。
投稿者:taka-farm