コメッセージ No.95
冬の間に、今年の作付け計画やら施肥の設計を考えて、さて何をどのようにしていきましょうか?・・・いろいろ情報を仕入れてあれもいい、これもいいと思いつつも、あっという間にはや、季節は移ろい、いつのまにか雪はとけ冒頭のように春作業に突入です。
昨年は冷害の影響というよりも、どちらかというと自分のミスから多大な減収を招いてしまったという反省もあって、余計慎重にことを運ばなければならない・・・はずなのに、たいした検証もしないうちやっぱり始まってしまうのですよね。
種子温湯消毒から種まき、育苗期間中の作業手順、アイガモの鳥インフルエンザへの備えや外敵対策、野菜の作付け品目と量の設定など考えておかなければならないことはいっぱいあるのに、どうもせっぱつまらないと動かないという性格で、で、最後は「ま、まぁなんとかなるべぇ」ということにしてしまうのです。 ・・・・・ところがですよ、このごろそううまく?いかないようになってきたのですよ。
実は、家内が「父さん、去年あれで失敗したけど、今年はどうするのさ?」ってな具合にいろいろと突っ込みを入れてくるんですわ。
こちらはたいして考えてもいないものだから、ムニャムニャとお茶を濁すような返事をしたり、ノラリクラリと話題を変えつつ逃げきりを図ろうとするのだけれども、その突っ込みが年々厳しくなってくるものだからたいへんです。
なんだかんだ言っても頭の隅っこに「去年と同じようにやればなんとかなる」みたいな優柔不断が骨まで染みている5代目の決断に際して、かあちゃんの一言「もう***作るのやめて***にする」・・・・正直言ってこれが一番でしょう。
どうも男はつまらないところで"メンツ"を気にしたり他との"シガラミ"から逃げられないようです。
今年はそうした家内の提案で田植えで本地と通いの順序を変えるのと時期を若干遅らせて少しゆとりをもってやろうということにしました。
話は変わりますが、先日行われた中小企業者の集まりの総会の記念講演で帯広にある紫竹ガーデンの社長(78歳の女性の方)さんのお話を聞く機会があり、とても"人生" て素晴らしいと"感動"をいただきましたので、そのことにふれたいと思います。
今ではちょっとした観光案内や道路地図であればかならず紫竹ガーデンは載っていて、年間10万人が訪れる十勝野の大平原の中にポっと咲いたまさに"花園"となっています。
平成元年、63歳にして自分の夢・・・・花作りをしたい・・・・を現実のものにすべく、非農家でありながら 18,000坪の農地を購入して全くゼロ・・・・しかも63歳、そして女性・・・・から始められたとのこと。
58歳のときにご主人を亡くされ、さてこれからの自分の行く道を考えたとき何があるだろうといろいろ思いめぐらしたようですが、そうこうしているうちに以前より好きだった花への思いがふつふつと募ってきたようです。
現代社会の有り様をみれば60歳ぐらいの年齢であれば受け取る年金で余生をどう過ごすか…と考えるのが普通じゃないですかね。
それから非農家は買えない農地、しかも18,000坪もの広さの土地を買う算段です。
家族の説得、農業委員会の許可など、農業者である私ならばなまじっか知っているばかりに、たぶんこんな無謀?なことに貴重で残り少ない老後の時間を費やすことを考えもしないでしょう。
さてさて農地はどうにか手に入れた、しかし勝手に土を動かしてはいかん、穴を掘ってはダメ、建物を建てるのはもってのほか・・・・云々とやたらに規制される、始末書は書かされる・・・・でその苦を紫竹さんは幸い元気で丈夫な体を持っている私であれば、平均寿命でいけばあと20年はがんばれるという気概で乗り切ってきたと言います。
そして今78歳、紫竹さん曰く「今の元気さならまだ20年はやれる!!」って・・・・。
今の夢はひとまわり、いや二まわりも、三まわりも大きくなって「北海道をフラワーアイランドにしよう」で、ほんとにすてきな方でした。
21世紀は女性にまかせましょう。
投稿者:taka-farm