コメッセージ 135号 2007年 08月号
と割りと近くでカミナリの音。ほどなくザーーーーーっとバケツをひっくりかえしたような大粒の雨。
あぁこの雨をどれだけ待ったことか、とにかく6月から7月の終わり頃まで雨らしい雨が降らず畑はカラカラの状態でした。
6月半ばに苗を移植したアスパラなどは植えたときの葉っぱが枯死した後、かろうじて脇から二番手の芽が伸びて、ああこれで大丈夫と思っていたらその二番手も枯れるものが出てくる始末。
根ぎわを注意深く掘ってみるとなんと3番手の芽が頑張っているのが見える。
そんなことでこの一ヶ月ほどアスパラはほとんど大きく育たずじまいでした。
どっちみちアスパラの収穫は3年後からですからこれからの天気に期待し少しずつ回復してくれればと思っています。
外の畑作物は例年のようにじゃがいも、かぼちゃ、スイートコーン、えだまめなど作っていますが、そちらの方はまあなんとかなりそうで先月のコメッセージでふれた直売所で販売をするはずだった・・・・・・のですが、なんと許可が下りたのが当初予定よりまるまる一ヶ月遅れてスイートコーン、えだまめなんかは収穫が終わった後になってしまいそうでとても間に合いそうもありません。
いっそのことアスパラのように一ヶ月成長が止まっていればとも思いたくなります。
それにしても農家が自分の農場で収穫したものを自分の土地の中で売る・・・・こんな単純なことが昨年11月からいろいろ役所(市と道)に働きかけてやっとこの時期に許可になる・・・・・なんて全く思いもよらないことでした。
大きな誤算、それは開発行為許可申請(北海道の許可)が必要となったということです。
たった2,000㎡ぐらいの敷地でちっぽけな建物を建てるだけだというのに、何万㎡もの大規模開発、例えば大きなスーパーや工場の進出計画を審査するのとほぼ同等の申請書類の提出が要求されるのです。
雨水の処理では断面をきちんと測量して排水を設けること・・・・・・現状でも全く問題なく自然に流下しているのに・・・・・結局そうした専門的な申請書を書くために測量業者(コンサルタント)を頼み、さらに過分な排水工事をしなくてはなりません。
さすがに土質調査や浸透試験まではしないですむことになりましたが、これら報酬や工事代金だけで予定外の200万円弱!!の出費になってしまいます。
少しでもコストをかけたくないのに法に則って"正式"な許可を得ようとするとこういうハメになってしまうのです。
かくして今まで石狩支庁管内で役所の許可を得た農家直営の直売所(道の駅や農協出店のような大規模なものは除いて)はただの一件もない?・・・・・らしいです。
そりゃそうですよね、煩雑な多数の申請書(2㎝ぐらいの厚みになる)と長い審査期間、そして多大な経費がかかるとあっちゃ誰も手をつけません。
さらに我が家から千歳川を挟んですぐとなりの長沼町(空知支庁)などでは直売所はもとより農産物加工場、ファームレストラン、ファームインなどを開設するのにこうした開発行為の申請はいらないという話を聞くに及んで、なんでこんな不条理がまかり通るのか憤りすら覚えてしまいます。
これじゃだまってこそっとやってしまった方が利口というもので、まさに"正直者がバカをみる"の典型かもしれません。
国の定めたグリーンツーリズム法による規制緩和とはいったい何なのか。
農業(第一次産業)の活性化を図るのが第一の目的というのであれば日本中どこの地域の農家であっても同等の負担で、しかももっと手続きを簡略化しなくては、何の意味も持たない死法となってしまいます。 農業というのは冒頭にあるように自然の営みの中で翻弄される部分があり、これは甘んじて受け入れるとしても人為的に正せることは正さねばなりません。
投稿者:taka-farm