コメッセージ 125号
降りて見るとコンバインの下の稲はきちんと刈り取られずにぐちゃぐちゃの状態。 天気は最高、実入りもまずまずで私の横をスイスイ飛んでいる赤トンボ君達にも軽口をたたきつつ、「♪夕焼け小やけの赤トンボ、負われてみたの~は」なんて自然と鼻歌も出ようってなもんで、調子よく動いているときに限ってこういうことになるんだわね。
原因はどこに?とのぞき込んでみると稲の穂先を搬送するチェーンがはずれているではあーりませんか。
なんだ、チェーンがはずれただけかと何本かのネジをはずし元に戻そうとするもやはり相手は機械。 "ガン"として動きません.....とこうなるともうお手上げでこりゃあかんと農機具屋を呼ぶことにします。
で、ほどなく来て見てくれるわけですが、「こりゃここの部品の溶接がはがれているしょ」.....「えっ!ありゃほんとだ、これじゃチェーンもはずれるわけだ」と納得。
えっっっ!納得してる場合じゃないんだ、直すのにどれくらい時間がかかるのか機械屋に問うと溶接機を持って来にゃならんしとか言ってどうもこちらの期待とは相反することになりそう。
天気は汗ばむくらいにいいのに....結局直るまでの貴重な日中の4時間ほどが無為に過ぎてしまった。
日頃の点検整備を怠りなくやっておけば、こうしたトラブルの多くは避けられるのだけれども....と夜の9時このコメッセージを書いているそばから今度は乾燥機が不調でバーナーの火が点火できないときたもんだ。
ちょっと籾の乾燥の具合を調べようと書くのを中断して納屋へ行くと火が消えてバーナー異常のサインが出ている。
何度再点火を繰り返してもダメでまたまた機械屋を呼びます。
近年、農機具の性能の向上は著しく、コンバインにしても乾燥機にしてもマイコン制御で農家のオヤジがちょっと覗いたぐらいじゃてんでわからない。
農機具屋にしても「俺らもなんともしようがない」というぐらいに高度化されていますから、当然頭の痛いことに修理代はかさむようになっているのですね。
皆さんは仕事をしているときなど何か唄を口ずさむことはありますか。 前述の「赤トンボ」は秋色深まりつつある頃のなんとも言えぬ哀愁が漂っています。
「早春賦」や「おぼろ月夜」、「夏は来ぬ」、「椰子の実」、「浜辺の唄」、「叱られて」、「この道」、「ペチカ」.....「ふるさと」、日本を代表する叙情歌や唱歌 .....私はどれも全編歌えるという曲はないのですが、でもメロディは幾分かは知っています。
田の畦道を歩いているときや草取りをしているときなど、ふと思い出してはわかる部分だけ口ずさんだり、声に出して歌ったりします。
ちと音程のはずれた唄を、しかも同じワンフレーズばかり聞かされるカエルや虫たち、そしてなにより主役の稲たちはきっと迷惑しているのかもしれません。
三笠でワイナリーを立ち上げたY氏はブドウにモーツァルトを聞かせているそうです。
私も稲にベートーベンを聞かせれば....とも思いましたがやはり稲には日本の叙情歌が似合いそうですね。
ところで安倍新総理は52歳!だそうです。 ええええっ! ということは私と同じ年齢.....ひゃ~っ....我々の世代が名実ともに日本をリードする時代になったということでしょうか。
彼は「美しい国、日本」をつくると言っていますが私は"昔、美しかったころの日本"の趣を歌った唄を口ずさみながら田を耕し美味しいお米をつくりましょう。
投稿者:taka-farm