コメッセージ 159号 2009年 08月号
曇天、日照不足、そして多雨・・・・ほぼ連日のように雨が降り畑は歩くとぬかるむ状態で、とうとうじゃがいもはほぼ全滅になってしまいました。
タカシマファームのあるところは海抜5~6mで千歳川流域の低地帯の平らな平野にありますので、こうした長雨が続くとなかなか畑から水が抜けないのです。
いつもは無農薬で作るじゃがいもも今年はさすがに病気が心配されたので、一般的な殺菌剤を2回散布しましたがそれさえ全くの徒労に終わってしまいました。
疫病が蔓延して黄色くなって力無く立っている"いも"の姿を見ているとなんだか情けなくなってきます。
先月のコメッセージに天候不順で種まきの遅れたとうきびが穫れるかどうかバクチ(博打)みたいなものだと書きましたが、そのとうきびの前にじゃがいもがまさにこの天気で博打に手を出して負けたような結果になってしまいました。
ハウスの中のトマトも"なり"がいまひとつパッとしませんし、赤く色づくのも遅いようで直売所での販売にも収穫量が少なく間に合わないといったありさまです。
ただそんな中で唯一の救いとでも言えるのでしょうか・・・稲はもともと水を張った田に植わさっている作物ですから少々湿潤な天気でもさほど影響がないのです。
タカシマファームでは売り上げの9割以上をお米に頼っているわけですが、上記のような立地条件下の当ファームにおいてお米に特化してきた・・・というより特化せざるを得なかった理由というものが今度の災害(湿害)で皆様方にも良く理解していただけるのではないかと思います。
稲は7月末の段階で私の感覚では4~5日遅れの生育ではないかと思っていますが、今年の作柄はこれからの出穂時と登熟期の天気で決まりでしょう。
8月前半の半月の気候で今年のそろばん勘定がほぼできてしまう・・・これは決して"捕らぬ狸の皮算用"ではありません・・・からこの時期、今までよりも増して天気で気をもむ毎日が続くことになります。
ところで先日とうとうと言うべきかやっとと言うべきか衆議院が解散になりましたね。
ほぼ4年の任期を全うしたようなものですが麻生首相がなりふりかまわず首相の大権である解散権を行使したようにも見えます。
解散といえば「バカヤロー」っと言って衆議院を解散したのは吉田茂、言わずと知れた麻生首相の祖父ですが、戦後間もない混沌とした時代にあって現在の日本の姿の骨格を作った偉大な政治家でした。
何がたいへんかって毎日の食べ物の確保すら危うい時代にあって、日本の将来像、行くべき道筋を示したことは本当に"すごい"ことだった思うものです。 確かに国会で"バカヤロー"とか理想論をふりかざす学者をこき下ろして"曲学阿世の徒"と言い放つなど失言癖は現首相につながるところはありますが、中身には雲泥の差があるように見えます。
同じように先行き不透明で国民に言いしれぬ不安感が漂っている時代背景の中でリーダーとしての確固たる信念があるのか・・・多数の国民(特に年配の方々)がその違いに気がついているものと思います。
自分自身の"ブレ"が支持率の低下をもたらしたことを反省している・・・との身内の会合での弁はもう評価のしようもありません。
私が選挙権を持ってから国政、地方何回の選挙があったのだろうか。
35年間ただの1回も棄権したことがありません。
子供達にも棄権は最悪の選択だから絶対してはダメだよと言い聞かせています。 8月、私は"水田"の様子に、政治家は"票田"の様子に心を砕くことになるでしょう。
投稿者:taka-farm